バイクを売却するにあたり、その査定額はどのようなプロセスを経て決まるのでしょうか? 大切に乗ってきた愛車だからこそ、査定基準や査定方法が気になりますよね。
買取業者やバイク車種によっても異なりますが、一般的な査定額の算出方法を紹介します。
バイク買取業者が査定額を算出する際、まずチェックするのは相場情報です。相場情報は車種とその年式、これまでの走行距離などが考慮されています。
これらの情報をもとに、相場情報が算出されるのです。
査定額には、バイクの状態の良し悪しも関わってきます。車種それぞれにて算出されている査定相場価格は、状態の良いバイクのものとなりますので注意してください。
実際の査定では、ボディの傷やエンジン回り、足回り、装備品の有無などの状態が確認されます。査定相場価格から減点方式にて最終的な査定額が算出されるのです。
相場情報そのままの価格でバイクを売却できるわけではないことを覚えておきましょう。
業者や車種ごとに違いはありますが、バイク査定時にチェックされる代表的な項目を紹介します。特に重視されるポイントはバイクの転倒歴。その痕跡をあらゆる箇所からチェックされます。
査定時のポイントとして最重要ともいえる項目です。なぜフレームのゆがみが重視されるのか、それはバイクの転倒歴と密接な関りがあるからです。
バイクの状態を測るにあたり、転倒歴は必ず見られます。外装に傷がついた程度であれば大きな減点対象にはなりませんが、フレームのゆがみは外装のように簡単には直せないため、査定減点は免れません。
フレームのゆがみは溶接部の塗装割れやへこみ、盛り上がりの有無などからチェックされます。
こちらもバイクの転倒歴を判断するための査定項目です。バイクが転倒した際、その衝撃からハンドルに強い力がかかります。そのため、ストッパーが変形したり傷ついたりと、バイクが転倒したことがわかる痕跡が残るのです。
ハンドルストッパーを交換していたとしても、買い取り業者のバイク査定士は転倒歴を見抜けるようです。ストッパー交換や調整を行うと、ハンドルの切れ角にその痕跡が残ります。それらを見極め、査定減点額が判断されるのです。
転倒歴があるバイクには、フロントフォークにゆがみが生じることも多いです。
外見でのチェックはもちろん、実際に押してみてフロントフォークの動きに不具合がないかも見られます。
音やアイドリング時の様子から、エンジン回りの状態や排気漏れがないかを確認します。
不動車のケースでは、動かない理由の調査も行われます。プラグのコンディションやバッテリー電圧などから見極めます。
フォークオイルやエンジンオイルをはじめ、各パーツにオイル漏れがないかを調査します。
クランクケースやサスペンションなどの結合部分を重点的にチェックします。
フレームやタンク、カウル、エンジン周辺などの外観も、バイク査定の判断ポイントです。
傷やへこみ、色あせ、塗装の日焼けなどから、バイクがどのように管理されていたのか、転倒歴はないかのチェックとなります。
ブレーキパットやタイヤのすり減り、ひび割れ、ライト関係などの消耗品の状態を確認し、交換すべきパーツを洗い出します。
交換となる部品は査定額から部品代として差し引かれる対象となるため、多くなるほど買取額は目減りします。
カスタムパーツも査定額に影響しますが、マイナス評価だけではなくプラス評価もありえるポイントとなります。
人気のあるパーツを使い高い完成度で仕上げられたカスタムバイクは、査定額の上乗せ対象となることもあります。純正品も保管されているとより望ましいです。
ここまで見てきた通り、バイク査定額の算出はバイク買取相場を基準としており、そこにバイクの状態を照らし合わせ減点・加点が付与されます。
中古車の査定もバイクと似たところがあり、こちらは「査定表基準価格」をベースにした減点・加点方式が採用されています。中古車査定協会や自動車メーカー各社から発行されている、通称「赤本」と呼ばれる査定本が存在し、車種や年式ごとにそれぞれの基準価格が定められているのです。それらの一覧が「査定表」と呼ばれています。
では、中古バイク市場における査定表とはどのようなものなのでしょうか?
中古車市場とは異なり、バイク業界ではオフィシャルの査定表は発行されていません。査定表の代替として、業者専用オークションでの落札情報や店頭での中古バイクの価格情報が、バイク査定相場の基準となっているのです。
メーカーや協会のオフィシャルではありませんが、盗難保険の大手であり、ホンダやスズキ、ヤマハなどのパートナー企業でもある「ZuttoRide株式会社」の見積もり査定システムは、幅広い知名度と信頼性が担保されており高く評価されています。
こちらは買取査定を目的としたものではなく盗難保険契約時の査定基準額を示している数値ですが、その算出には中古バイク価格の相場情報とも連動しており、バイクの売却においても参考にできる指標となっています。
バイク買取業者のホームページにも、査定価格の目安をチェックできるフォームが備わっています。
こちら業界大手三社においても、おおむねの査定額をオンラインにて簡単に確認できます。
中でも「バイクワン」の査定フォームは、個人情報の入力が一切不要。メーカーと排気量、車種、年式、走行距離を入力するだけで目安の査定価格をチェックできます。
多くの買取業者では、査定額の決定にあたりバイクのコンディションを段階分けして評価しています。バイク買取業者専用オークションなどでも、このようなレベル分けが行われています。
レベル | 状態 | 特徴 |
---|---|---|
10 | 新車 | 未登録バイク。ガソリンやオイルも入れたことがない |
9 | 新車 | 未登録バイク。ガソリンやオイルは入れた痕跡あり |
8 | 新古車 | 登録済みバイク。走行歴無し |
7 | 新古車 | 登録済みバイク。走行歴10キロ以内 |
6 | 新古車 | 登録済みバイク。走行歴1000キロ以内。外観に傷がない |
5 | 中古車 | 生活傷や若干の経年劣化が見られるが、大きな傷や改造跡はない |
4 | 中古車 | 傷は多少あり。足りないパーツやエンジンのコンディション劣化なし |
3 | 中古車 | 傷や足りないパーツあり。エンジンコンディションに劣化あり |
2 | 不動車 | 長い間乗られておらずエンジンがかからない状態。転倒歴も見られる |
1 | 不動車 | 修理不能のコンディション。パーツ取りに使用 |
日常的に乗っていたバイクであれば、大半の車両はレベル6以下の査定基準が割り振られることとなります。
これら状態レベルをあらかじめ把握しておくことにより、算出された査定額は妥当な数字なのかを判断するための目安としても使えます。
また、不動車であっても一定の評価基準にて査定されることがわかりますね。